デザインについて
シャツは一般的に、20ほどのパーツで構成されているのをご存知ですか?そのパーツを一つ一つ縫い合わせていくため、Tシャツやニットなどのトップスに比べて工程がとても多く、パーツの形状や素材、縫製の仕方によって出来上がるシャツが様々な表情を持つため、とても手間がかかり、かつ奥深いものなのです。
私たちの歴史を辿ると、1940年創業時からまもなくして「着心地が良く、格好良く見えるシャツ」をつくる工場として全国に認知されました。
"体にフィットしつつも腕回りが突っ張らず、そして衿が美しくピンとしている。"
「どうしたら着用者が喜んでくれるか」という、ものづくりへの探求が、消費者に伝わり広まっていく様子は、私たちのみならず、ものの創り手と消費者の関係性において最良の形だと考えています。
KÖGENにおいても、その精神を引き継ぐ存在となるべく、これからの生活ニーズに沿ったシャツの在り方について考えました。
実現したいのは「日用品」として、着て頂く方の生活に沿うシャツをつくること。
生地は肌触りの良い天然素材
KÖGENのシャツは、主に天然繊維の生地を使用しています。化学繊維に比べ、シワになりやすかったり、少し高価ではありますが、着心地の良さを考え、天然繊維を選んでいます。
コットン100%の柔らかな厚手生地をつかった「KIRIGAMINE」や、和紙が織り込まれてとっても軽やかな「TOGAKUSHI」「KAMIKOUCHI」など、私たち自身が生活に取り込みたいと思える生地のみを厳選して選んでいます。
腕が動かしやすいラウンドヨーク
冒頭でご紹介した当社のこれまでのものづくりから引き継ぐ「型」への想い。シャツには、共通して「ヨーク」というパーツがあります。
KÖGENのヨークは、腕の動かしやすさを考えて、少し丘のような形になっています。これを、高原になぞらえて「ハイランドヨーク」と呼んでいます。ヨークの形を人の骨格に沿わせているため、とても腕が動かしやすく、"毎日のように使いたくなる"日用品のようなシャツを目指す上で欠かせない要素として取り入れています。
着脱のしやすい"お椀型ボタン"
シャツに欠かせないボタン。1着に6個から7個付くボタンの付外しのしやすさについても考えました。私たちが採用したのは、ボタンの底がお椀型になっているボタン。素材はペットボトル由来の再生素材です。
この形状によって、ボタンの付外しのストレスを軽減します。
補強のためのシルクかんどめ
シャツの脇や袖の部分など、より引っ張りの力が掛かる箇所には、シルク糸を使って、「かんどめ」という補強を施しています。シルクは、天然繊維の中では圧倒的な強度を持つこと、そして長野県はもともとシルクの原料となる養蚕業が盛んであったという文化的背景から採用を決めました。現在、長野県での養蚕業はごく僅かになってしまいましたが、KÖGENのシャツを通じてそういった文化なども発信する助けになれば嬉しいです。